油脂/ワックス技術用語

 
 
Q.油脂とは
脂肪酸3分子が3価のアルコールであるグリセリンの水酸基と結合したエステル
 
一般にトリグリセリド(TG-トリグリ)、又はトリアシルグリセリン(又はトリアシルグリセロール)と呼ばれ、以下の分子式で示される。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
Q.エステルとは
酸とアルコールから水を分離してできる反応物。
 

 
 
Q.アルコールとは
炭化水素の水素原子を水酸基(-OH)で置換したヒドロキシ化合物の総称。
 
 
1分子に水酸基が1個の場合:1価のアルコール
1分子に水酸基が2個の場合:2価のアルコール
 
一般的なアルコールの例
 メチルアルコール  CH3OH (メタノール)
 エチルアルコール  C2H5OH (エタノール)
 プロピルアルコール  C3H7OH (プロパノール)
 イソプロピルアルコール  C3H7OH  IPA:プロパノールの異性体、側鎖あり
 グリセリン  C3H5(OH)3 (3価のアルコール)
 

 
 
Q.脂肪酸とは
カルボキシル基 -COOH を1個持つ鎖式化合物。
鎖式モノカルボン酸の総称。
 

 
 
Q.カルボン酸とは
カルボキシル基を持つ有機化合物R-COOHの総称。代表的な有機酸。
 
◇ アルコール同様1分子内のカルボキシル基の数により1価、2価などがある。
 
一般的なカルボン酸の例
 蟻酸  HCOOH
 酢酸(お酢の成分)  CH3COOH
 酪酸(バターの成分)  CH3(CH2)2COOH
 ステアリン酸  CH3(CH2)16COOH
 セバシン酸  HOOC(CH2)8COOH
 ニ塩基酸と呼ぶ。ひまし油の誘導体
 

 
 
Q.アシル基とは
カルボン酸 R-COOH からOHが抜けた R-CO をいう。
 

 
 
Q.鎖式化合物とは
構造式中に環状の原子配列のない線状の原子配列で表される有機化合物。脂肪族化合物とも言う。
 
炭素原子のつながりに着目し、枝分かれのない鎖を直鎖、枝部分を側鎖と言う。
 
たとえばカルボン酸の例にあるステアリン酸:CH3(CH2)16COOHを展開すると右記のように直鎖式の飽和脂肪酸であることが分かる。
 

 
 
Q.“モノ”とは:ジ、トリ、テトラ…
モノ=1、ジ=2、トリ=3、テトラ=4…化学名によく使われる。
 

 
 
Q.“イソ”とは
異性体(isomer)のこと。分子式は同じだが、構造が異なる。
 

 
 
Q.酸価とは
油脂中のアルカリと反応する部分を水酸化カリウムで滴定して表した特数。
一般に遊離した脂肪酸の量に比例する。
 

 
 
Q.遊離脂肪酸またはFFAとは
遊離脂肪酸=FFA(Free Fatty Acid)。油脂の本体=トリグリセリドから何らかの理由で外れてしまった脂肪酸。分析値は“%”であらわす。酸価との関係は下記のとおり。
 
たとえば、パーム油のFFAが0.912%とすると、酸価は0.912÷0.456=2となる。
 
 油脂名称  代表脂肪酸 酸価1に対する  酸価1に対する 代表脂肪酸含有量%
 一般油脂  オレイン酸  0.503
 パーム油  パルミチン酸  0.456
 ヤシ油  ラウリン酸  0.356
 

 
 
Q.過酸化物価とは
自動酸化の初期に生じる過酸化物をヨウ化カリウムで測定する。
単位は meq/Kg( meq=mili equivalent = ミリ当量 )
 

 
 
Q.当量とは
化学当量 chemical equivalent:
酸素 1/2モル( =7.999g )と化合する元素の質量のこと。原子量=原子価x当量の関係がある。
 
酸と塩基の化学当量:
酸として作用する1当量の水素を含む酸の量およびこれを中和する塩基の量をいう。
 

 
 
Q.原子価とは
ある元素の原子が他の原子と単結合をいくつ作れるかを表す数。
 
例えば酸素[ O ]、窒素[ N ]、炭素[ C ]は、それぞれH2O、NH3、CH4という安定な水素化合物から、原子価= 2, 3, 4となる。
 
 
 

 
 
Q.モル(Mol)とは
一定数( アボガドロ定数=6.02x10の23乗 )の原子、分子、イオン、電子を含む系の質量。
酸素原子O1モルは約16g、酸素分子O2は約32g。
 

 
 
Q.原子とは
物質の最小構成要素。これ以上分割すると物質の化学的な性質が維持できなくなる。
水素、酸素などの名称で呼ばれるのは元素のこと。
 

 
 
Q.石鹸とは
脂肪酸のカルボキシル基に苛性ソーダなどのアルカリが反応して、水を分離して生成する化合物の総称。
 

 
 
Q.ケン化とは
(R1,R2,R3は脂肪酸が色々な場合があることを示す)
石鹸にすること。具体的には
 
・苛性ソーダとの反応:
 
R-COOH+NaOH→R-COONa+H2O
 
・油脂(トリグリセリド)に直接アルカリを
反応させても石鹸ができる。
 

 
 
Q.脂肪酸製造とは
◇副生成物がグリセリンだけになる。
(1)上記石鹸を無機酸で中和して作る⇒ケン化分解法
 
  2R-COONa+H2SO4→2R-COOH+Na2SO4(芒硝)
 
 ◇ケン化分解法で脂肪酸を作ると以下の副生成物が発生する。
 
  a.ケン化でグリセリン
 
  b.分解で芒硝
 
  (硫酸分解の場合。塩酸の場合は食塩NaCLが生成)
 
(2)油脂の加水分解=直接分解法
 
  油脂に高圧高温下(およそ50atm/250℃)で蒸気を吹き込む
 

 
 
Q.フーツとは
フーツ=アルカリ油渣(さい)。油脂の脱酸では、油脂に苛性ソーダなどのアルカリを加え、遊離脂肪酸を中和して石鹸にしてしまう。石鹸水は油より比重が大きいので、静置すると油脂は上に、石鹸分は下に層を作る。この石鹸分をフーツと呼ぶ。主成分は石鹸で他に油脂を一部含んでいる。
 
弊社では硫酸で分解して粗製脂肪酸とし、ボイラーの燃料に利用している。一般には工業用石鹸、クレンザー、脂肪酸原料に利用される。
 

 
 
Q.中和とは
   油脂(トリグセリド)の分子モデル
酸と塩基(アルカリ)を反応させること。中和反応で生成する化合物を塩(えん)と呼ぶ。
 
 (1)ケン化分解反応では 脂肪酸のナトリウム石鹸と硫酸の中和反応で
   芒硝が生成。
 
 (2)苛性ソーダと塩酸の中和反応では食塩が生成。
 
  NaOH + HCl → NaCl + H2O
 

 
 
Q.蒸留とは
液体を高温又は減圧状態に置くと沸騰する。沸騰とは液体が表面だけでなく内部からも気化する現象で、沸騰する温度を沸点と呼ぶ。沸点は各分子毎に固有の価をもっている。
 
ある圧力のもと油脂を加熱すると低沸点分が蒸発/沸騰を始める。これを冷却機に導いて再度液体として回収する。高沸点のものは容器に残ったままとなり、沸点の違いによって混合物が分別されたことになる。
 
このように混合液体を部分的に蒸発/沸騰させて、低沸点成分と残留液(高沸点成分)とを分離する操作を蒸留という。一般に分子量が大きくなると沸点は高くなる。
 
◇ この気化した気体を種類に拘わらず蒸気と呼ぶが、普通、ボイラーの蒸気と言っているのは正しくは水蒸気のこと。
 
◇ 脱臭はこの理論を応用し、精製油中の微量有臭成分(油脂より分子量が小さい)を蒸留で油脂層から気化させ、コンデンサーで冷却してキャッチする。
 

 
 
Q.分子蒸留とは
分子蒸留:Molecular Distillation。10-4Torr以下の高真空で行う蒸留のこと。
 
高真空の為、系内の物質濃度が極度に低く、蒸発面から飛び出した蒸気は他の物質に衝突することなく凝縮面に到達する。最低温での蒸留が可能。普通の減圧蒸留で出来ない高沸点物質や、熱安定性の悪い物質に応用される。
 

 
 
Q.DTAとは
示差熱分析:試料内に発生する熱変化を温度差の形で検出するもの。
 

 
 
Q.DSCとは
示差走査熱量測定:Differential Scanning Calorimetry.
 
試料内に発生した熱エネルギーの変化を再現性よく定量的に検出するもの。DTAを定量化した定量DTAの一種。
 
TG-DTAと異なり、測定部が緻密で繊細なので、分解反応は行わない。未知試料では事前に予備知識、予備データ採取が必要。
 
 
 
 

 
 
Q.TGとは
熱重量分析:Thermogravimetric analyzer
 
試料の重量変化を連続的に測定する装置。
 
主に化学反応的側面から熱挙動を捉える。情報の信頼性を向上させるため、DTA、DSCとの同時測定装置として普及している。
 
 
 
 
 
 

 
 
Q.TMAとは
TMA(Thermomechanical Analysys)。
 
熱機械分析:膨張、収縮、軟化などの試料の形状変化を測定するもの。
 

 
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